ICT×店舗

負担を抑えて消費増税対応などを実現。店舗のICT化を支援する補助金制度

前回ご紹介したように、現在、消費増税、働き方改革などの大きな変革が進行しており、店舗ではこれに対応するためにICT化が必要になってきます。行政側でもICT化を推進すべく、支援や補助制度を用意しています。これらをうまく活用して、負担を抑えて早急に環境整備していくことが重要になってくるでしょう。今回はそうした行政の支援に、どのようなものがあるのかご紹介します。

■レジや受発注のシステム整備のパターンに合わせて補助――消費増税対応の支援制度

まず消費増税対応についてみてみましょう。
2019年10月に迫った消費増税への対応について、中小企業庁は「今日から始める消費税軽減税率対策」というパンフレットを用意しています。

ここでは、消費税の軽減税率制度の説明とともに、
・軽減税率の対象品目を取り扱う事業者だけでなく、すべての事業者に影響がある。
・取り扱う商品の適用税率を把握する必要があるほか、適用税率ごとに区分した記帳などの対応が必要となる可能性がある。
・消費税率が標準税率と軽減税率の2つになり、適用税率ごとに区分して税額計算を行う。
など、仕事への影響や事業者に求められることを解説しています。

例えば、軽減税率の対象品目を扱っていなくとも、経理は適用税率ごとに区分して行う必要があり、納税額の計算に影響します。対象品目を扱っていれば、商品の値付け、仕入れや販売における取引先やお客様に対する対応などがもちろん必要になってきます。

こうした内容にもとづいて店舗は対応することになります。レジや受発注などのシステムの対応、経理処理のためにパソコンの準備などが必要になってくるでしょう。

特に重要になるのはレジシステム。同パンフレットでは、レジが複数税率に対応しているかの確認を促しており、対応していない場合の補助制度を紹介しています。

複数税率対応レジを導入、または現在使用中のレジを改修する必要がある場合、そのパターンは「レジ・導入型」「レジ・改修型」「モバイルPOSレジシステム」「POSレジシステム」の4つに分かれ、これらすべてが補助金の対象になります。補助対象には、レジの本体や付属機器をはじめ設置経費や商品マスタの設定費用も含まれます。

この補助金の具体的な情報は、軽減税率対策補助金事務局のホームページで分かります。同事務局ではレジシステムの補助金を「複数税率対応レジの導入等支援(A型)」として、以下のように4つのパターンに分類し、公募容量や申請の手引きなど詳しい情報を案内しています。
A-1型:レジ・導入型
A-2型:レジ・改修型
A-3型:モバイルPOSレジシステム
A-4型:POSレジシステム

レジとともに重要なのが受発注のシステム。電子的な受発注システムを利用する事業者の複数税率対応のためのシステム改修・入替の補助金は、
・電子的受発注データのフォーマットやコード等の改修
・現在利用している電子的受発注システムから複数税率に対応したシステムへの入替
・電子的受発注システムに必須となる商品マスタ、発注・購買管理、受注管理機能のうち、
複数税率対応に伴い必要となる改修・入替
が対象になります。

軽減税率対策補助金事務局では、この補助を「受発注システムの改修等支援(B型)」として、以下の2つのパターンに分類しています。
B-1型:受発注システム・指定事業者改修型
B-2型:受発注システム・自己導入型
こちらは指定事業者が行うか自らが行うかで補助のパターンが分かれています。B-1型はシステムベンダーなどに発注・実施する場合のもの(請け負う事業者が代理申請)、B-2型は中小企業・小規模事業者が自らパッケージ製品・サービスを購入し導入する場合のものです。

申請方法やスケジュールなど詳しい情報は、軽減税率対策補助金事務局のホームページで確認してみてください。

<ココまでのまとめ>
・中小企業庁が用意しているパンフレットに、消費税軽減税率対策や補助制度がまとめられている。
・レジを導入・改修する際に利用できる補助制度は、そのパターンに応じて4つに区分されている。
・受発注システムを改修・入替する際に利用できる補助制度は、システムベンダーなどが請け負う場合と自ら導入する場合とで分かれている。

<参考資料>
「今日から始める消費税軽減税率対策」パンフレット
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2017/170307zeiseikaisei1.pdf
軽減税率対策補助金事務局ホームページ
http://kzt-hojo.jp/

■時間外労働等改善や生産性向上のためのICT化をサポート――働き方改革対応の支援制度

次に働き方改革に対応した支援制度をみてみましょう。
こちらは関係省庁などが助成金を設けており、店舗に関連するものについては、中小企業庁が運営する「ミラサポ」にまとめられています。

例えば、厚生労働省の「職場意識改善助成金」では、労働時間等の設定の改善を通じた職場意識の改善を促そうとしています。その中の「時間外労働等改善助成金」には、労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、テレワーク用通信機器などの導入・更新が含まれています。

同じく厚生労働省の「業務改善助成金」は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図るための制度で、生産性向上のための設備・機器の導入で業務改善を行うことも対象になっています。

これらは各都道府県の労働局などが窓口になっていますが、別途、業務改善に対する助成金を用意している自治体もあります。例えば、東京都の「働き方改革助成金」では、テレワークや在宅勤務の導入が助成の対象になっています。

企業へのICT導入を進めることは、それ自体が業務改善と結びついているため、支援する助成金が国から出ています。例えば「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する経費の一部を補助するものです。
特に重要なのはやはり消費増税の対策。そのためのシステム導入や改修のタイミングで、ほかの業務効率化などの課題解決や売上アップのための対策も見据えてICT化・環境整備をすると良いでしょう。

<ココまでのまとめ>
・働き方改革対応の支援制度は、関係省庁などが助成金を設けている。
・厚生労働省の「職場意識改善助成金」「業務改善助成金」には、ICT化を支援する内容が含まれている。

<参考資料>
ミラサポ 働き方改革への取り組み
https://www.mirasapo.jp/workstyle/index.html
厚生労働省 時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisiki.html
厚生労働省 業務改善助成金特設サイト
https://www.mhlw.go.jp/gyomukaizen/
東京都産業労働局 働き方改革助成金
https://hatarakikata.metro.tokyo.jp/jyosekin/
IT導入補助金
https://www.it-hojo.jp/

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